【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
シャルルは気に入らないと叫びながら錯乱していたが、サシャバル伯爵夫人が頬を叩いたことで我に返ったようだ。


「いい加減になさいっ!」

「ぁ……」


隣から冷たい空気を感じていたが、それでもクラレンスの側を離れたくないと思った。
クラレンスは再び激しい怒りを露わにしている。
店にいる店員達も魔法の力に圧倒されている。


「……貴様、死にたいのか?」


シャルルの声にサシャバル伯爵夫人が前に出て頭を下げている。
「申し訳ございません」と、何度も謝罪する言葉が聞こえて、シャルルも夫人によって強制的に頭を下げさせられている。


「カトリーナは俺の大切な女性だ。今の発言と先程の行為を許すつもりはない」

「…………っ」

「これ以上、カトリーナに近づくな。罰は追って言い渡す」


氷のように冷たい声が上から聞こえたが、クラレンスがカトリーナのことを『大切な女性』だと言ってくれたことに大きく目を見開いていた。

クラレンスとカトリーナが帰ってこないことを心配したのか、トーマスとニナが店の中へ。
この状況を見て、すぐに察したのだろう。
すぐにシャルルとサシャバル伯爵夫人を睨みつけていた。


「許さない……」

「……っ!」


その言葉にカトリーナが振り返る。
サシャバル伯爵夫人の視線に囚われたまま動けなかった。

しかしクラレンスがカトリーナの背をそっと押してくれたことで店の外へ。
ジリジリと焼けつくような太陽にクラリと目眩を感じた。
あとはニナとトーマスに任せてクラレンスと共に馬車に戻る。
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