【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
吐き気を感じてカトリーナはクラレンスに寄りかかるようにして身を寄せていた。
腕を掴みながら微かに震えるカトリーナの体をクラレンスが包み込むようにして抱きしめた。

落ち着く匂いに瞼を閉じた。
先程、あんなにも心が締め付けられるように痛かったのに今は呼吸がしやすいと感じていた。


「カトリーナ、すまない。やはり王都で一人にすべきではなかった」

「……!」

「まさかこんな思いをさせてしまうことになるなんて」


クラレンスは悔しそうに唇を噛み締めている。
カトリーナはクラレンスの行動が嬉しくてたまらなかった。
今までカトリーナを庇ってくれる人など一人もいなかった。
しかしクラレンスはこんなカトリーナのために怒ってくれている。

安心感からかカトリーナの頬に涙が伝う。
自分の弱さが恨めしい。


「クラレンス殿下は悪くありません。私の、せいです……申し訳、ありません」

「謝ることはない。アレがシャルル・サシャバルと伯爵夫人か?」


カトリーナはゆっくりと頷いた。


「…………すまない」


クラレンスはそう言うと、落ち着くまでずっとカトリーナを抱きしめてくれていた。
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