【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「……申し訳、ありません。クラレンス殿下」
「今は何も考えなくていい」
「申し訳ありません……っ」
そう言って謝罪するものの、クラレンスは大きく首を横に振っている。
クラレンスはカトリーナの手をずっと握ってくれていた。
ひんやりと気持ちのいい体温が緊張を解いてくれる。
そのままゆっくりと瞼を閉じた。
「戻りたく……ない」
「……!」
「嫌……」
暫くするとカトリーナは魘されるように呟いている。
クラレンスが頬に手を添えると落ち着いたのかスッと眠りについた。
カトリーナが眠っている部屋から出たクラレンスはニナとトーマスがいる部屋へと向かう。
二人は固い表情でテーブルを見つめていた。
そこには先程、カトリーナが購入したプレゼントが置かれていた。
包み紙が破れていたり、箱が壊れていたりとひどいものだった。
そこには明らかに靴で踏まれたような跡もある。
「あれがカトリーナを虐げていた者達なのだな」
「はい。こんなことをするなんて信じられません!」