【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「あの……」
カトリーナが何を言おうとしたのかがわかったのか、クラレンスの人差し指をカトリーナの口元に当てた。
「明後日にはナルティスナ領に帰ろうと思う」
「……!?」
「父上と母上にもそう話てある」
クラレンスの言葉にカトリーナは首を大きく横に振った。
「ですが、皆様が家族に会うのを楽しみにしていたではありませんか!」
「トーマスもニナも今、家族に会っている」
「私のせいでしょうか……!?私ならもう大丈夫ですっ!皆様の時間を奪うなんて許されません」
「カトリーナ……」
「もう体調はよくなりました。一週間、滞在しましょう!」
カトリーナはニナやトーマスの顔を思い浮かべた。
このままカトリーナが寝ていたら皆に迷惑を掛けてしまう。
カトリーナはベッドから足を出して立ちあがろうとするが、クラレンスに止められてしまう。
「俺がそうしたいと思ったんだ」
「ですが……っ」
「それと待ちきれずに、これを受け止った。ありがとう。とても嬉しい」
潰れた箱に入っていたプレゼントを渡すつもりはなかったのだが、クラレンスの手元にはカトリーナが店で購入した手袋がある。
「それは……っ!」
「トーマスもニナも、とても喜んでいた」
「……!」
カトリーナは複雑な気持ちではあったが、心の底では喜んでいる自分がいた。