【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
クラレンスはそう言ってカトリーナを抱きしめた。
背に回された手は小さく震えている。


「今から話すことはカトリーナにとって辛いことかもしれない」


カトリーナはクラレンスの言葉にゆっくりと頷いた。

シャルルがベル公爵家の娘、アリーリエにパーティーで怪我をさせたことでベル公爵が怒り、その他の令嬢達の被害報告を受けて王命によって『サシャバル伯爵家の娘』であるシャルルをナルティスナ邸の行儀見習いとして親元から話そうとしたこと。
それを防ぐためにシャルルの身代わりにカトリーナをサシャバル伯爵家の籍に入れて『サシャバル伯爵家の娘』としてナルティスナ邸に送った。

王命に背くことなくシャルルを守るために……。

自分がナルティスナ邸に向かうようになった理由を聞いたカトリーナは驚いていた。
真実はとても残酷だったが、それ以上に本当のことを知れてよかったと思っていた。
カトリーナよりも辛い表情のクラレンスを見て、ゆっくりと彼の手を握る。
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