【アニメ化&書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
辺りを見回してカトリーナと母のボロボロになった服が残されていることに気づく。
カトリーナは服を全て取り出して袖や服の裾を結びながら繋げようと考えたのだ。
カトリーナと母が寝ていたベッドへと向かい、埃を被ったシーツを取ろうとした時だった。

ゴトンと重たい音が聞こえた。
カトリーナは不思議に思い、その物が落ちたであろう場所を覗き込む。


「本……?」


古びた本が落ちたのを見て、カトリーナは手を伸ばす。
カトリーナは屋根裏部屋にある本は全て目を通していたはずなのに、この表紙は一度も見たことがなかった。

カトリーナは本を持ってペラペラとページを捲った。
そしてこれが物語の本ではなく、誰かが書いたものだと気づく。
日付けと書き殴ったように書かれている文字。


『病気だとずっと嘘をついていたけれど、今日あの女が押し入ってきてカトリーナを隠し通すことはできなかった。あんな思いをさせたくない。この子に辛い思いをさせないように頑張ってきたのに……!カトリーナを働かせたくない』

また次のページを捲る。

『この子だけは絶対に守ってみせる。カトリーナを守るためならば悪になってもいい。嫌われたっていい……今日もアイツは私たちを見ている。声を聞いている。だからカトリーナに冷たく振る舞わなければ……』
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