【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
マナーは拙いが知識として身につけている。
文字も読めるようで、内容を理解しているかと思いきや知識に過度な偏りがあるようだ。
ここにくる前の鞭で叩かれたような傷、謝罪ばかりしていることを含めて厳しく当たられたに違いない。
働かなければ食べてはいけないのは当然だと思い込んでいる。
まるで洗脳のようだと思った。

それだけでもカトリーナが今までどんな生活をしてきたのかが垣間見える。
カトリーナと接しているとこれ以上、悲しい思いをさせたくないという庇護欲を掻き立てられる。
それはクラレンスにとって、はじめての経験だった。

カトリーナのことをもっと知りたい、そう思っている自分に気がついた。
その理由は自分でもよくわからない。
ただ、このまま放っておくことなど絶対にできない。
そう強く思うのだ。

もう一つクラレンスを苛立たせることがあった。
それはカトリーナがいつも言う「申し訳ありません」という言葉だった。
何かある度に頭を下げる。
その姿を見ていると心が締め付けられるように痛んだ。

そして国境から戻ってくると案の定、カトリーナは働いていた。
ニナが涙目でクラレンスにカトリーナを止める様に言っている。
食べたら働かないと落ち着かないらしく、カトリーナは今も床を端から端までピカピカにしている。
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