元皇女なのはヒミツです!
「それは……グレースらしいわね」と、私も思わず笑ってしまう。でも、彼女がそんな風にエカチェリーナのことを慕ってくれていたなんて、嬉しくて胸がいっぱいになった。私が神格化された作り話は勘弁して欲しいけど……。
「それで……」デイジーが遠慮がちに続ける。「そんなエカチェリーナ様のことを帝国人は見捨てたって、グレースから何度も聞かされてそれに感化されちゃって、リナの嫌がらせに加担していたの。その……ごめんなさい」
「ごめんなさい」
二人は再び頭を下げる。
「もう謝らなくていいわ。二人の気持ちは十分に伝わったから。それにグレースも理由があってのことだって分かったから、別に怒っていないわよ」
そう、グレースから見たら私もセルゲイもエカチェリーナを犠牲にしてぬくぬくと他国で暮らしている愚かな帝国民だ。だから、彼女が怒りに打ち震えるのも頷ける。
「俺も……グレースに言い過ぎた、あとで謝らないとな」と、セルゲイは肩をすくめた。
しかし、その日グレースはとうとう授業に顔を出さなかった。