元皇女なのはヒミツです!


「リナ」セルゲイは眉間に皺を寄せて「今回は事なきを得たが、気を付けろ。君は平民なんだ、貴族からしたら君を潰すことなんて赤子の手をひねるように簡単なんだぞ」

「わ、分かってるわよ。その……助けてくれてありがとう」

「これくらいのことならお安い御用さ」と、セルゲイは微笑む。


「あの……」

 気が付くと床に座り込んでいた令嬢は立ち上がって遠慮がちに私たちを見ていた。

「あら? あなた、大丈夫だった? 怪我はない?」

「はい。わたしは大丈夫です。さっきは助けてくれてありがとうございました」

「とんでもない。無事なら良かったわ」

「災難だったな」

「あの、わたしはオリヴィア・ミルズと申します。お二人のお名前を伺っても……?」

「私はリナよ。平民だから家名はないわ。よろしくね」

「俺はセルゲイ。セルゲイ・ミハイロヴィチ・ストロガノフだ。よろしく」

「はいっ! よろしくお願いしますね!」


 こうして、リーズ王国に来て二人目の友人ができた。
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