若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
「僕ももう少し身長が低ければ、一緒に遊べたのかな……」
そんな思いから、ふと、こんな言葉をこぼせば。
「……私は、今のワート様が素敵だと思いますよ? ねえショーン」
「うん!」
上機嫌な妻子に肯定され、ジョンズワートの気持ちも持ちあがった。
ショーンが今のやりとりの意味をどこまでわかっていたのは、定かではないが。
「私よりワート様の方が適任なこともあるんですから。ワート様のたかいたかい、ショーンは大好きなんですよ? 私では、あまり高さは出ませんから」
「わとしゃ、たかいたかい、してくれるの?」
「ほらワート様。ショーンがたかいたかいをご所望ですよ」
ワート様、たかいたかい、という言葉を聞いたショーンが、期待に満ちた瞳でジョンズワートを見上げる。
早く抱き上げてくれと、両手を上げて待ちの姿勢だ。
深い青の瞳を輝かせる息子と、ほらほらワート様、と息子の隣で微笑む妻。
年齢が十に満たない頃から好きだった人と、その人との間に産まれた息子。そんな二人にじいっと見つめられ、感無量である。
あまりの可愛さと幸福感にじーんとしながらも、ジョンズワートは我が子を抱き上げた。
たかいたかいとするときはいつも、落とさないよう気を付けているが。今は外にいるから、普段より慎重に。
けれどしっかり持ちあげてやれば、自分によく似た息子はきゃあきゃあと笑い声をあげた。
会場内には、他にも雪でできた遊具がある。
カレンとジョンズワートがついていくつか回ったが……。
1つ、夫婦のどちらもまだ気が付いていないものがあった。
普段なら階段で昇り降りする高低差を利用して作られた、長い雪の滑り台である。
二人がその存在に気が付くのは、少し先のこと。
そんな思いから、ふと、こんな言葉をこぼせば。
「……私は、今のワート様が素敵だと思いますよ? ねえショーン」
「うん!」
上機嫌な妻子に肯定され、ジョンズワートの気持ちも持ちあがった。
ショーンが今のやりとりの意味をどこまでわかっていたのは、定かではないが。
「私よりワート様の方が適任なこともあるんですから。ワート様のたかいたかい、ショーンは大好きなんですよ? 私では、あまり高さは出ませんから」
「わとしゃ、たかいたかい、してくれるの?」
「ほらワート様。ショーンがたかいたかいをご所望ですよ」
ワート様、たかいたかい、という言葉を聞いたショーンが、期待に満ちた瞳でジョンズワートを見上げる。
早く抱き上げてくれと、両手を上げて待ちの姿勢だ。
深い青の瞳を輝かせる息子と、ほらほらワート様、と息子の隣で微笑む妻。
年齢が十に満たない頃から好きだった人と、その人との間に産まれた息子。そんな二人にじいっと見つめられ、感無量である。
あまりの可愛さと幸福感にじーんとしながらも、ジョンズワートは我が子を抱き上げた。
たかいたかいとするときはいつも、落とさないよう気を付けているが。今は外にいるから、普段より慎重に。
けれどしっかり持ちあげてやれば、自分によく似た息子はきゃあきゃあと笑い声をあげた。
会場内には、他にも雪でできた遊具がある。
カレンとジョンズワートがついていくつか回ったが……。
1つ、夫婦のどちらもまだ気が付いていないものがあった。
普段なら階段で昇り降りする高低差を利用して作られた、長い雪の滑り台である。
二人がその存在に気が付くのは、少し先のこと。