若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
扉の前で従者が「うまくいけ!」と願っていることなど知らぬまま。
ジョンズワートとカレンは、二人には広すぎるぐらいの個室で、メニューを眺めていた。
「カレン、なにがいい? きみの好きなものを頼んでいいよ」
「は、はい。ええと……。では、この紅茶とイチゴのタルトのセットを……」
「きみは昔から、紅茶とイチゴが好きだね」
「……覚えていてくださったのですか?」
「もちろん」
ジョンズワートは、よくカレンに贈り物をしてくれる。それらがみな自分好みだったから、そうだろうとは思っていたが。
彼はやはり、カレンが好きなものを覚えていてくれたのだ。
もちろん、と迷うことなく返ってきた言葉に、じん、と目頭が熱くなる。
「じゃあ注文するよ」
「お願いしま……あっ」
「カレン?」
「あ、えっと、その、イチゴたっぷりパフェ、というものが目に入ってしまって……」
タルトにする、と言ったばかりなのに目移りしてしまったことがなんだか恥ずかしくて。
カレンは視線を泳がせた。
どちらにせよイチゴのスイーツをご所望の妻に、ジョンズワートは愛しい者を見る目を向けて。
「やっぱりそっちにするかい?」
「……悩みます。タルトもパフェも、どちらも美味しそうで」
「なら、両方頼もうか」
「それだと、食べきれるかどうか……」
「どちらも半分こすればいいよ。ここは個室だ。誰も見ていない」
ジョンズワートは、手の甲に顎をおき、いたずらっぽく笑う。
彼は年若い公爵だから、侮られないよう気を張っていることが多い。
そんな彼がこんな風に過ごせるのも、ここが個室で、妻と二人きりだからだろう。
タルトはともかく、パフェを半分こするとなると、1つの器に二人でスプーンを突っ込むことになる。
立場的にも人前では少々やりにくいことだが、ジョンズワートの言う通り、今は個室にいる。
二人だけの秘密にすれば、なんの問題もない。
それでも、パフェを二人でつつくなんて、初夜以来なにもされていなかったカレンには刺激の強いことだったが――
ジョンズワートとカレンは、二人には広すぎるぐらいの個室で、メニューを眺めていた。
「カレン、なにがいい? きみの好きなものを頼んでいいよ」
「は、はい。ええと……。では、この紅茶とイチゴのタルトのセットを……」
「きみは昔から、紅茶とイチゴが好きだね」
「……覚えていてくださったのですか?」
「もちろん」
ジョンズワートは、よくカレンに贈り物をしてくれる。それらがみな自分好みだったから、そうだろうとは思っていたが。
彼はやはり、カレンが好きなものを覚えていてくれたのだ。
もちろん、と迷うことなく返ってきた言葉に、じん、と目頭が熱くなる。
「じゃあ注文するよ」
「お願いしま……あっ」
「カレン?」
「あ、えっと、その、イチゴたっぷりパフェ、というものが目に入ってしまって……」
タルトにする、と言ったばかりなのに目移りしてしまったことがなんだか恥ずかしくて。
カレンは視線を泳がせた。
どちらにせよイチゴのスイーツをご所望の妻に、ジョンズワートは愛しい者を見る目を向けて。
「やっぱりそっちにするかい?」
「……悩みます。タルトもパフェも、どちらも美味しそうで」
「なら、両方頼もうか」
「それだと、食べきれるかどうか……」
「どちらも半分こすればいいよ。ここは個室だ。誰も見ていない」
ジョンズワートは、手の甲に顎をおき、いたずらっぽく笑う。
彼は年若い公爵だから、侮られないよう気を張っていることが多い。
そんな彼がこんな風に過ごせるのも、ここが個室で、妻と二人きりだからだろう。
タルトはともかく、パフェを半分こするとなると、1つの器に二人でスプーンを突っ込むことになる。
立場的にも人前では少々やりにくいことだが、ジョンズワートの言う通り、今は個室にいる。
二人だけの秘密にすれば、なんの問題もない。
それでも、パフェを二人でつつくなんて、初夜以来なにもされていなかったカレンには刺激の強いことだったが――