聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
木に花を咲かそうとしたが、それは無理だとリグロットに言われた。
「何が出来て何が出来ないのかわかりづらいね」
「我々は幼い頃から魔法に慣れ親しんでおりますので、常識的に可能と不可能がわかります。アルウィード様が時間をとって教えてくださる予定です。気長にかまえてくださいませ」
「魔法の先生とかつけてくれないんだ」
礼儀作法なんかよりよっぽど魔法のほうが興味あるのに。
「アルウィード様は三千花様と一緒に時間を過ごしたいとお考えなのですよ。それほど大切に思っていらっしゃいます」
「会ったばっかりなのに」
「過ごした時間など超越する、それが人の想いというものではないでしょうか」
「うーん……」
それはわからないでもない。だけど、と三千花は思う。やはり誘拐はやりすぎだし、納得行かない。
安全がどうとか言っていたが、あれ以来誰にも襲われないし、本当に狙われていたのかわからない。むしろアルウィードの存在のほうが危険としか思えない。
「殿下のこと、もう少し前向きにお考えいただきたく思います。三千花様の意に沿わないことは重々承知でございますが、拒否ばかりでは、見えるものも見えなくなるかと」
「うーん」
「出過ぎたことを申し上げました。お許しください」
「うん」
彼はかなりアルウィードを尊敬しているようだし、三千花にも敬意を払ってくれている。それがわかるから、リグロットの発言を不快には思わなかった。
アルウィードはおそらく三千花を大切にしてくれている。それは流石に彼女も理解するようになっていた。強引な態度に辟易するし、あれこれ指図をされるのも嫌だ。が、三千花をないがしろにしたり支配したりはしていない。
リグロットやエミュリーの様子からしても、普段のアルウィードは王子に求められる仕事を果たし、その品格を満たしているように思われた。
いい人なのだろう。それはわかる。
だが、彼は聖母がほしいだけなのだ。
「何が出来て何が出来ないのかわかりづらいね」
「我々は幼い頃から魔法に慣れ親しんでおりますので、常識的に可能と不可能がわかります。アルウィード様が時間をとって教えてくださる予定です。気長にかまえてくださいませ」
「魔法の先生とかつけてくれないんだ」
礼儀作法なんかよりよっぽど魔法のほうが興味あるのに。
「アルウィード様は三千花様と一緒に時間を過ごしたいとお考えなのですよ。それほど大切に思っていらっしゃいます」
「会ったばっかりなのに」
「過ごした時間など超越する、それが人の想いというものではないでしょうか」
「うーん……」
それはわからないでもない。だけど、と三千花は思う。やはり誘拐はやりすぎだし、納得行かない。
安全がどうとか言っていたが、あれ以来誰にも襲われないし、本当に狙われていたのかわからない。むしろアルウィードの存在のほうが危険としか思えない。
「殿下のこと、もう少し前向きにお考えいただきたく思います。三千花様の意に沿わないことは重々承知でございますが、拒否ばかりでは、見えるものも見えなくなるかと」
「うーん」
「出過ぎたことを申し上げました。お許しください」
「うん」
彼はかなりアルウィードを尊敬しているようだし、三千花にも敬意を払ってくれている。それがわかるから、リグロットの発言を不快には思わなかった。
アルウィードはおそらく三千花を大切にしてくれている。それは流石に彼女も理解するようになっていた。強引な態度に辟易するし、あれこれ指図をされるのも嫌だ。が、三千花をないがしろにしたり支配したりはしていない。
リグロットやエミュリーの様子からしても、普段のアルウィードは王子に求められる仕事を果たし、その品格を満たしているように思われた。
いい人なのだろう。それはわかる。
だが、彼は聖母がほしいだけなのだ。