聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜





 博物館へは晴湖と案内役のユレンディールと一緒に行くことになった。シェリナは行きたくないと拒否したという。

 シェリナは本当にあちらに帰りたくないのだろうか。晴湖からははっきりと聞いていないが、どう思っているのだろうか。この機会にきちんと意志を確認しなくては。そうは思うが、そんな隙はあるのか。

 行きは晴湖と同じ馬車にのった。お目付けのリグロットも一緒だ。エミュリーは同行しない。ユレンディールは別の馬車だ。

 さきほどちらりと見たユレンディールは今日も神官らしくない服装だった。いかにも貴族でござい、というような綺羅綺羅(きらきら)しい服装。

 王子としての服装だろうか、と思ってから疑問が浮かぶ。王の甥も王子でいいんだろうか。
 あちらのテレビで見たときには、外国の王族の子息は王の直系の子供でなくても王子と呼んでいた気がする。はたして王族はどこまでの血筋がそうなのか。三千花は混乱してきて考えるのをやめた。

 三千花たちの乗る馬車は四頭立てのとても豪華なものだった。箱型の黒いボディに金で装飾が施されている。
 外側の前後に帯剣した護衛が乗り、さらに警護の騎馬がついた。

 初めての馬車に興奮したのも束の間、警備の厳重さに怖くなった。
「なんか物々しいね……」
 三千花は思わずつぶやいた。

「大切な聖母候補が二人もいらっしゃるのですから」
 そういうリグロットも帯剣していた。城内では剣をもっていないのに。

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