聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 アルウィードが去ると、入れ替わりにエミュリーが飛び込んできた。

「聖母様、ご無事で!」
 エミュリーが泣きそうな声で言った。

「ごめんなさい、心配かけて……」
 三千花が謝ると、エミュリーはハッとしたように固まる。

「迷惑ですから勝手にいなくならないでください」
 エミュリーはそう言ってツンと横を向いた。

「うん、ごめんなさい」
 三千花はシュンとして謝る。

 エミュリーはいつもと違う三千花に戸惑う。彼女を一瞥(いちべつ)して、顔を伏せた。
「アルウィード様が、とても心配しておられました」

 それだけ言うと、エミュリーは食事の準備を口実に退室した。

 三千花はソファに座り、うなだれた。
 巻き込まれたのは自分なのに、まるで加害者になったかのような気分だった。


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