聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
蓮月は縄から解放されたが、石牢に入れられた。
「これ、どうなってんだよ」
まったくさっぱりわけがわからない。
事情を知っていそうな鈴里三千花とも引き離され、誰も何も説明してくれなかった。そもそも三千花と黒髪の男以外は言葉が通じなかった。
状況を整理しようにも、わかっていることが少なすぎて現状を把握できない。
「記憶をなくしたってのは嘘かな」
ひとりごちる。返事をする者はいない。
「こんなんじゃ、説明のしようもないか……な?」
何もかもが日本ではないようだ。映画のセットとも思えない。
「とにかく、すぐにどうこうされることはないようだが」
スマホを取り出す。圏外だった。
写真をいくつか撮影する。が、なぜか真っ白になってしまって撮れない。遡ると参考人――三千花の指輪の写真も真っ白になっていた。
「どうなってんだよ」
蓮月は作り付けのベッドに腰掛けた。
体力を無駄に消費しないように。
そうは言っても、落ち着くことなんてできそうにもなかった。