聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「君が信じるかどうかは関係ない。俺がやったことが事実だ」
「あちらでの三人もあなたが殺したの?」
「やってない、と言ったら信じるのか?」
 三千花は黙ってアルウィードを見た。険しい顔でアルウィードは三千花を見返す。

「必要があれば殺す。王子である俺の命は重い。暗殺者にくれてやるいわれはない」
 三千花は耐えられなくなり、目をそらした。

「だが、俺はむやみに命を奪ったりはしない。君に誓う」
 三千花は何も答えられなかった。ただ彼の胸を押して、距離を取る。

「……信じられないか」
 アルウィードは皮肉な笑みを浮かべた。
 直後、彼はふらっと前のめりに膝をつく。

「アルウィード様!」
 リグロットは慌てて駆けつける。神官たちがざわついた。

「大丈夫だ、問題ない」
 アルウィードはリグロットを制し、自力で立ち上がる。

「三千花を部屋へ。今度は逃がすな。解雇どころか貴族階級の剥奪もありうるぞ」
 青白い顔で命じた。その目は三千花を見ている。
 自分への脅しだ、と三千花は感じた。
「かしこまりました」
 リグロットは感情のこもらない声で返事をした。



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