聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
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晴湖たちの訪問から数日、三千花は誰との面会も拒否した。
アルウィードとの朝食も拒絶、家庭教師の勉強も拒む。部屋に入ってきても話しかけられても反応を示さなかった。
エミュリーは心配でおろおろしたり怒って見せたりしたが、三千花は暗い表情のまま、あまり食事もとらなかった。
アルウィードは部屋に来なくなった。それについて、なんの知らせもない。
三千花はずっと葛藤していた。晴湖に話をしたことで、今まで蓋をしていたものがあふれ、彼女を暗く沈めていた。
自分が帰ろうとすると、こちらの人の人生を巻き込む。
自分が諦めれば、不幸になる人が減るのだろうか。
だからといって自分が犠牲にならなければいけない理由もない。
いや、実際に犠牲になったのは自分ではなく、いたいけな少女と罪もない神官だ。
だが、それもアルウィードが自分を連れてこなければ良かった話だ。
もしあのとき彼に出会わなければ。
もし自分が買い物になんか行かなければ。
らちが明かない思考がぐるぐるとループする。
過去を悔やんでばかりで、前を見ることもできず、これからとるべき道も思いつかなかった。
自分が動くと他人を困らせる。
ただそれだけが心を縛った。