聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 それでも太陽は昇るし、日々は過ぎていく。

 晴湖は毎日、面会に来た。
 三千花は数日後には晴湖にだけは会うようになった。断ることへの罪悪感からだった。

 晴湖が一緒なら三千花は軽く食べるようになった。
 特別措置として、晴湖と三千花は過ごす時間が増えた。







 散歩の許可が出たわ、と晴湖が言ったのは、彼女が来るようになってから一週間後のことだった。
 拒否する気力もなく、三千花は庭に連れられて出た。

 リグロットがお目付け役としてついてまわることとなった。部下には任せておけないということだろう。

 久しぶりの外出だった。
 思ったより日差しが(まぶ)しくて、目がくらんだ。

 庭と言っても王城のそれは広い。
「東西南北でテーマが違うんですって。面白いわね」
「そうですね」
 三千花の声は暗かった。

 散歩は脳を活性化し、自己肯定感を高めるという。
 晴湖はその説を信じていた。

 だから閉じこもる三千花を毎日散歩に連れ出した。渋るリグロットも説得して了承させた。

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