聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜





 結局、四人でお茶をすることになった。
 リグロットを含めた護衛は四阿(あずまや)の周囲を取り囲むように守る。
 晴湖は手際よくお菓子を並べ、リグロットに湯を沸かさせて紅茶を淹れて出した。

「こちらの王子様方はかわいくていらっしゃるわね。何歳?」
「子供扱いするなよ。15歳だ」
「あら、悩みも楽しみも多い年頃ね」

「あなたは何歳?」
 リーンウィックが意地の悪い視線を送る。

「27歳、女盛りよ。これからもっともっといい女になるわよ」
 自信満々に答える晴湖。リーンウィックはつまらなさそうに、そう、と答えた。
 三千花は彼女を師匠と呼びたくなってきた。

「お二人はよく似てらっしゃるのね」
「双子ですから」
 エルンレッドが答えた。

 顔はそっくりだが、並んでみると雰囲気が違う。リーンウィックは若者らしい不遜(ふそん)さがあり、エルンレッドは穏やかで優しい雰囲気だ。

「さっきの、聞いてたよね」
「なんのことですか?」
 リーンウィックの問いに晴湖がとぼける。

「嘘つくなよ。変身しかできないくせに、って言われたの、聞いただろ」
 どう答えたらいいかわからず、三千花は思わず晴湖を見た。

「聞いてません」
 晴湖はにっこり笑って答えた。三千花はコクコクとうなずく。

「見え見えの嘘つくなよ!」
「落ち着いて、リーン」
 エルンレッドはおろおろと彼をなだめた。次いで、二人に謝る。

「ごめんね、リーンは変身しかできないこと気にしてるんだ」
「余計なこと言うな!」
「ごめん」
 エルンレッドは彼にも謝った。
 リーンウィックはやけになったかのようにクッキーを三個いっきにほおばった。

「エルンレッド様も魔法をお使いになるの?」
 晴湖がきく。

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