聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「壊す、という言い方が妥当だと思います。女性と付き合って、ひどい振り方をして女性が自殺したり、振り回して精神を崩壊させたりしたらしいんですよ。お母様が相手の方に謝りに行ったり、大変だったみたいです」
「女の敵ね」

「しかも、幼女から老女まで、幅が広かったそうです」
「すごいわね」

「そのあとは男性にも手を出したそうですよ」
「それはそれは……」
 晴湖が絶句した。
 三千花は別次元の話すぎてついていけない。

「第一王子様のこと、王妃様は何も言わないの?」
「お母様はちょっとぼんやりしてるから。基本的に自分の周りの人はみんな良い人だと思ってるんです。あんなことあったのにね。もう落ち着いた、大丈夫だと思ってます」
 マイルドに酷評したなと、三千花はエルンレッドを見た。優しげな雰囲気だが、かなり冷静に判断しているようだ。

「僕が物心つくころにはもうしなくなっていたんですけど。自分の行動で相手がどんな反応するのか見て楽しんでたみたいだ、とアル兄様は言ってました」

「そうなの。お兄様方はおいくつでいらっしゃるの?」
「レオ兄様は27歳。晴湖さんと同じです。アル兄様は23歳です」

「23歳!?」
 三千花は驚いて声を上げた。

「知らなかったんですか」
「知らなかった」
 年下にいいようにひっかきまわされてドキドキさせられたんだ、とわかって三千花は頭を抱えた。しかも、なんであんなに貫禄あるんだ。

「年齢なんて関係ないわよ」
 三千花の煩悶(はんもん)の理由を勘違いした晴湖が慰める。

「年齢が関係ないなら僕と結婚してよ」
 リーンウィックが三千花の手をとる。

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