聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「自分はよくて私はダメなのか? 三千花は貴様の所有物か?」
「お前のものでもない」
アルウィードは唸るように言った。
「どけよ」
ユレンディールの口調が荒くなる。
アルウィードは立ち上がり、彼の前からどいた。ユレンディールも立ち上がる。
「俺は三千花を大切に思っている」
「思ってるだけだろ」
乱れた襟を直しながら、ユレンディールは応じる。
「なぜ彼女のところに駆けつけない? なぜ私のところに来た?」
アルウィードは答えない。噛み締めた歯が、ぎり、と鳴った。
「貴様は国王の命令に逆らえない。真面目なお坊ちゃんだからな。彼女よりも国をとった」
アルウィードは否定できなかった。
幼い頃から国のためにと教育を受けてきた。
第一王子が王太子。だが何かあれば彼がその座を引き継ぐ。国を背負う責任を嫌というほど教えられてきた。
「私ならば彼女を大切にできる。貴様よりも」
「俺だって――」
「俺が、なんだって? 言えないだろ、王族の発言は重いって教えられてきたんだから」
アルウィードは拳を握りしめ、ユレンディールを睨む。
ユレンディールは嘲るように微笑した。
「継承順位6位。私ならば王族の地位がありながら自由も効く。三千花を幸せにできる」
「俺だって、三千花を幸せに……」
「できないだろ、拒否されてるのに」
ユレンディールの声には優越があった。
「変革の聖母を手に入れるのは私だ」
勝ち誇ったようにユレンディールが言った。
アルウィードは彼を睨む目に力をこめた。
「お前には渡さない」
言い捨て、転移して姿を消した。
荒れた部屋にはユレンディールだけが残った。
彼はもう三千花を手に入れらないとわかっている。自分の罪も。
それでも、アルウィードに対して嫉妬があった。彼に言ったことはせめてもの意趣返しだ。
「本気で殴りやがって」
しばらくは痛みそうだな、とユレンディールはため息をついた。
「お前のものでもない」
アルウィードは唸るように言った。
「どけよ」
ユレンディールの口調が荒くなる。
アルウィードは立ち上がり、彼の前からどいた。ユレンディールも立ち上がる。
「俺は三千花を大切に思っている」
「思ってるだけだろ」
乱れた襟を直しながら、ユレンディールは応じる。
「なぜ彼女のところに駆けつけない? なぜ私のところに来た?」
アルウィードは答えない。噛み締めた歯が、ぎり、と鳴った。
「貴様は国王の命令に逆らえない。真面目なお坊ちゃんだからな。彼女よりも国をとった」
アルウィードは否定できなかった。
幼い頃から国のためにと教育を受けてきた。
第一王子が王太子。だが何かあれば彼がその座を引き継ぐ。国を背負う責任を嫌というほど教えられてきた。
「私ならば彼女を大切にできる。貴様よりも」
「俺だって――」
「俺が、なんだって? 言えないだろ、王族の発言は重いって教えられてきたんだから」
アルウィードは拳を握りしめ、ユレンディールを睨む。
ユレンディールは嘲るように微笑した。
「継承順位6位。私ならば王族の地位がありながら自由も効く。三千花を幸せにできる」
「俺だって、三千花を幸せに……」
「できないだろ、拒否されてるのに」
ユレンディールの声には優越があった。
「変革の聖母を手に入れるのは私だ」
勝ち誇ったようにユレンディールが言った。
アルウィードは彼を睨む目に力をこめた。
「お前には渡さない」
言い捨て、転移して姿を消した。
荒れた部屋にはユレンディールだけが残った。
彼はもう三千花を手に入れらないとわかっている。自分の罪も。
それでも、アルウィードに対して嫉妬があった。彼に言ったことはせめてもの意趣返しだ。
「本気で殴りやがって」
しばらくは痛みそうだな、とユレンディールはため息をついた。