聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜


 * * *


 アルウィードは違和感を覚えて、窓の外を見た。

「いかがされました?」
 視察の打ち合わせをしていた男は、怪訝(けげん)そうに尋ねる。

「なんでもない」
 執務室の窓から見る景色はいつもと変わらない。アルウィードは軽く首をふった。

 自分の魔力が彼の意志もなく流れた。
 三千花が魔法を使ったのだと察した。その魔力量は微々たるものだった。

 また魔法で遊んだのか。
 ひっかかるものがあったが、重大なことのようにも思えない。

 魔法を教えたとき、彼女はとても楽しそうに遊んでいた。とうてい人に危害を加えるような使い方はしないだろう。

「続けよう」
 そうは言ったものの、アルウィードの胸騒ぎは静まることがなかった。

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