聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「聖母さま、お食事の時間でございます。お着替えを」
「はは、はい」
 思わず返事をしてしまう。

 そこへノックもせず王子様が入ってきた。
「あ、痴漢王子!」
 叫ばれた王子は顔をしかめる。

「王子ではあるが痴漢ではない」
 比喩として王子と言ったのに、肯定されるとは。
 三千花は引いた。

「痴漢って、何したのさ」
 ベッドの少年が笑う。

「入れるなと言ったのに、猫を入れたな?」
 彼には答えず、王子は怒ったように三千花に言った。
 そんなに怒られることか。彼女はむっとした。

「おはよう、兄さん」
「女性の寝室に無断で入るとは失礼だぞ」
「兄さんに言われたくないね」

「君も、そんな格好で」
 王子の指摘に、慌てて前を隠す。落ちたときにかけ布団から転がりでてしまっていた。

「そんな格好は俺の前だけでいい」
 ささやきと共に、彼女に自分の上着をかける。
 あなたの前でもしたくないよ!
 三千花は抗議の目で王子を見る。

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