聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「ユレンディールさん、エルンレッドさん!?」
「三千花様……ですよね?」
エルンレッドが呆然と三千花を見る。
彼にとっては今の三千花のようなTシャツにジーンズの女性は見慣れない姿だった。
「会えて良かった」
ユレンディールが微笑する。
三千花はとっさに蓮月の陰に隠れる。蓮月は動揺して背後の彼女を見る。
「なんだよ」
「昨日の話の関係者」
蓮月は顔をしかめた。説明が雑すぎないか。
その陰から三千花はそっと覗く。ユレンディールとエルンレッドのほかにもう一人、長い白い服を着た男性がいた。
「アル兄様が大変なんです」
「見つかった!?」
三千花は蓮月の腰を掴んで、陰からエルンレッドを見る。蓮月は困ったようにされるがままになっている。優梨は呆れた様子でそれを見ている。
「まだです。だからあなたの力が必要なんです」
エルンレッドが答えた。
三千花は蓮月の陰から出た。
「ケガをしてますね。少しじっとしててください」
エルンレッドは三千花の頬に手を添える。
淡い光が発して、彼女の頬の腫れがひいた。足腰の蹴られた痛みも引いていく。
「わ、すごい。ありがとう」
三千花の礼に、エルンレッドは微笑した。
「どなた?」
優梨が怪訝そうにたずねる。
蓮月は手でそれを制した。
「命の無事もまだ不明か?」
「……部外者には答えられません」
エルンレッドは不審な目を蓮月に向ける。