聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「ごろつきが殺されていたのは……殺したのは誰なんでしょう」
 思いがけない質問に、ダウナルドは三千花を見た。

「アルウィード殿下ではないと思いますよ。あの方は簡単に命を奪うようなことはなさらない」
 その答えに、三千花は大きく息をついた。

「ごろつきを雇って襲撃させ、私兵がそれを片付けて証拠を隠した。そう思われます」

「貴族はみんな私兵を持っているものですか?」
「規模にもよりますが、屋敷や領地の警備などで雇っています」

「ユレンディールさんも?」
「そうですね。リンバートソン家にも私兵はいます」
 三千花はユレンディールにされたことを話すべきか迷った。しかし、彼が黒幕ならアルウィードを助けるために三千花をこちらに送るだろうか。

「ユレンディール様をお疑いのようですが」
 察したように小声でダウナルドが言う。

「私個人は、ユレンディール様もその父上でらっしゃる大神官長もこの事件には関わっていないと思います。あくまで私見で、捜査に予断を入れるつもりはありませんが」
「……私はこちらのことをわかっていません。よろしくおねがいします。どうかアルウィードを助けてください」
 三千花は頭を下げた。

 蓮月は戸惑いながらそれらを聞いていた。翻訳魔法のかかった腕輪をもらっているので言葉は通じている。

 国王は事情聴取を終えた三千花と蓮月に、次は神官のところへ行くように指示をした。

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