聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
三千花は隣室に行き、神官の指示で地図の上に左手をかざした。
その状態で、神官が何かを唱える。
だが、反応はなかった。つまり、アルウィードの場所がわからない。
「アルウィード様に――対象者に魔法封じを使っているのなら、反応がなくなることがあります。一般には知られていませんが」
神官はそう説明した。
「そんな。この指輪さえあれば、と思ったのに」
三千花は蓮月を振り返る。
「刑事さん、何かいいアイディアない?」
「あるわけないよ」
困惑の蓮月に、三千花はがっかりした。
「そうですよね、急にこっちに連れてこられて事情もわからないのに」
かつての自分を思い出し、反省する。
「捜査は進んでいるかい?」
ふいに声がした。
いつの間に現れたのか、レオルークがそばにいた。
神官たちが深くお辞儀をする。
三千花はお辞儀をしない。
その顔を見て、レオルークはちょっと感心したような表情になった。
「なんか雰囲気変わったね、君」
「……そうですか」
三千花は短く答えた。
「服装も変わってるね。そんなはしたない格好で」
「向こうでは普通です」
言い返す三千花を、神官たちはハラハラしながら見ている。
「そうなんだ」
楽しそうに、レオルークは答えた。
「それより、アルウィードを探したいので」
三千花はレオルークとの話を打ち切ろうとした。
「じゃあ、私が協力しよう。みんなにもわかるように地図を使おうかな。地図に手をかざして」
三千花は一瞬迷ったが、すぐにそのとおりに左手をかざした。