聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜





 その後、三千花は着替えをさせられた。
 ドレスを着せられたのだが、その手順の多さにうんざりした。

 途中でお腹がグーッと鳴いて、
「はしたない」
 と赤茶の髪の女性に言われた。
 仕方ないじゃん、昨日の晩から何も食べてないんだもん。
 反論は、実際には言えなかった。

「さっそく男を連れ込むとか、ありえない」
 とも言われた。
 連れ込んでないし。なんでこんなに言われなきゃいけないの。
 揉めると何をされるか分からないので黙って耐えた。

 後ろに立ったエミュリーがペンダントをはずそうと首に手を伸ばす。
「やめて。はずさないで」

 小さい頃からしているペンダント。なぜかわからないが、はずそうとすると不安になる。学生時代も服で隠れるから毎日つけていた。

「ドレスに似合わないのに。ダサい聖母」
 ボソッと小声でつぶやくのが聞こえた。
 空耳? と彼女を振り返る。

「終わりました、聖母様」
 彼女はしれっとそう言った。
 空耳だったかな、と目の前に用意された鏡を見る。

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