聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 美しい水色のドレスだった。ウエストがキュッとしまってふんわりと裾が広がっている。胸元には繊細な幅広のレースが広がっていた。袖口にはたっぷりとひだが取られていて、内側に重ねられたレースとともに優雅に揺れる。

 が、それを着た自分の姿にはがっかりした。見慣れていないせいか、ドレスに着られている感じがしてならない。サイズも胸元は余っているし、ウエストはギリギリだ。

「こちらは捨てておきます」
 と女性に言われた。もともとの着ていた服のことだ。

「捨てないでっ」
 慌てて彼女を止める。
「必要だから」
 逃げるときには動きやすい服が必要だ。

「では、洗濯してお戻しします」
 と女性は嫌そうに答えた。
 捨てられないか、三千花は不安になった。

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