聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
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三千花たちは玄関ホールで待たされていた。
粘った結果、執事はロレッティアに彼女らの訪問を伝えるからここで待つようにと言ったのだ。
ようやく現れたロレッティアは不機嫌さを隠そうとしなかった。
「こんな時間にどのような御用でいらっしゃるのかしら」
「婚約者殿、許しておくれ。この者たちがどうしても、と言うものだから」
レオルークは大仰に謝罪した。
人のせいにした、と三千花は唖然としてレオルークを見た。
「異世界では夜間に連絡もなく訪問するのが常識なのかしら」
「申し訳ありません。緊急ですので」
三千花は素直に謝った。
「そんな体のラインを強調するような服装で、男性ばかりを従えて。そういうご趣味なのかしら」
頭に血が上ったが、三千花は耐える。
「こちらにとあるお男性が滞在していると伺って。その方を探しています」
彼女のもってまわった言い方に、ロレッティアは美しく眉をひそめた。
「もっとはっきりおっしゃったら」
「アルがここにいるから返してほしいんだって」
レオルークがニコニコしながら言った。
三千花は言葉を失った。この人はどうしてこういう言い方をするのか。
ライエルも動揺を隠せなかった。駆け引きもなくレオルークがバラしてしまうから。
蓮月もまた驚いていた。異世界の捜査はこんなふうなのか? と。