聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
蓮月たちはなんとか三千花と合流した。
その後、手分けしてあちこちの部屋を探す。
だが、どこにもアルウィードはいなかったし、監禁の形跡もなかった。
三千花が持ってきた武器らしきものを使う機会はなく、探索に役立つものも何もなかった。
「間違いだったの……?」
探索魔法は精度が悪い、と言われたのを思い出す。
「俺たちが探している間に移動された可能性もあるな」
蓮月が言う。三千花は急いた自分のせいか、と悔しくうつむく。
「しかしこの私兵の多さは異常です」
ライエルはひそひそと三千花に耳打ちした。
「じゃあやっぱり……」
「何かが起きているのは事実でしょう」
「もう一度探索魔法を――」
レオルークに頼もうとしたら、そこに彼はいなかった。
「いつの間に?」
部屋を探し始めるまでは一緒にいたのに。
「――転移魔法でどこかへ行かれたのかもしれません。気まぐれでいらっしゃるので」
「そんなことが許されるの?」
「王族というのは、それだけで特権があるのです」
ライエルは感情を込めずにそう言った。複雑な表情から察するに、思うところはあるのだろう。
いない人にこだわっても仕方ない、と三千花は切り替える。
「あと探していないのはあの人の私室だけね」
「入れてもらえませんでしょう」
「でも私なら女同士だし」
兵士に案内するように言うと、最初は拒否された。
「さっき私達が第一王子と一緒にいたのを見ましたよね?」
脅すと、兵士は渋々とロレッティアの部屋へ案内した。
三千花がドアをノックする。返事はなかった。