聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「開けてください、開けないとぶち破りますよ!」
 彼女の発言に三人はぎょっとした。
 どんどんと叩き続けると、しばらくしてドアが開けられた。

「何事ですの、さわがしい」
「中を探させてください。あとはここだけです」
 ロレッティアは拒否した。

「こんな時間に訪問するだけでも非常識ですのに、家探しを許可しました。かなり譲歩していますのに、この上、わたくしの部屋まで」
「私だけで行きますから」

「それが嫌なのですけど」
 心底嫌そうに彼女は言う。

「こんな野蛮人を連れてくるなんて」
 ロレッティアの叱責に、兵士は気をつけの姿勢をした。その手がわずかに震えている。
「私が言ったの。責めるなら私にして」

「聖母候補様はお優しくていらっしゃること」
 皮肉に言って、ロレッティアは目を細めた。ややあって、口の端だけで薄く笑う。

「わかりましたわ、聖母候補様だけ、お入りになって」
 三千花はリュックを背負い直し、蓮月たちを見る。

「行ってくるわ」
 蓮月とライエルがうなずいた。

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