聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
ロレッティアは自室への三千花の訪問に立腹した。が、ふとこれはチャンスなのではないかと思い直し、部屋に入れた。
アルウィードにはああ言ったものの、彼女は一人で来たわけではないので監禁などの方法をとれずにいた。
だが、わざわざ自分から飛び込んできた。
どう料理しようかと舐めるように三千花を見る。
最初の相手はさっきの兵士にしよう、とロレッティアは思う。
自分がかばった相手に襲われる三千花はどれほど傷つくだろうか。泣き喚いて彼を責めるだろうか。
ロレッティアの胸が踊る。
今ここで捕まえるのは危険だろうか。
第一王子はもういなかった。飽きてどこかへ行ったのだろう。
外の二人は殺してしまえばいい?
いいえ、とロレッティアは考える。一人は警備兵、殺せば調査のために新たな警備兵が投入されてしまう。
三千花が急病ということにして監禁して彼らを帰す?
それも怪しい。
では、ケガではどうか?
ケガはいつどこで発生するかわからない。
そうね、ではそうしましょう。
治療で滞在している間に、聖母候補は自分の世界を恋しがってロレッティアの屋敷から逃げてしまった。
そういう筋書きはどうかしら。
聖母が脱走を企て、神殿で殺人が起きたのはすでに国王も知っていることだ。
ロレッティアは目を細めて三千花を見た。
ケガのタイミングは、みんなの見ている前で。
いつどうやったら自然なケガになるか、彼女は計算を始めた。