聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「騎馬隊です!」
 ライエルが叫ぶ。

「うそ、馬ってそんな早いの!?」
 短時間なら、低速で走る車より全速の騎馬のほうが早い。

 車の横で小さな爆発が起きた。
「遠隔攻撃魔法です」
 ライエルが言った。

「は、反撃しないと!」
「私は遠隔攻撃魔法は使えません」

 蓮月はリュックからビー玉の入った靴下を取り出した。
「馬、ごめん」
 言いながら、窓をあけてビー玉を窓の外にばらまく。

 道路に撒かれたビー玉を踏めば、馬の足を少しでも止められるかもしれない。石ころなどは馬のヒヅメにダメージを与えるからだ。

「なんか知らないけどありがと」
 三千花が蓮月に礼を言うと、アルウィードは少しムッとした。三千花がほかの男に礼を言ったのが気に入らなかった。

 徐々に騎馬隊が近づいてくる。数騎がビー玉を踏んだらしく離脱したが、大勢(たいせい)は変わらない。

 攻撃も近づいてくる。

 とうとう攻撃がタイヤに当たった。

 衝撃が三千花たちを襲う。
 フルブレーキをかけるが、車体は制御できず滑る。ぎゅぎぎぎ! と路面を擦る大きな音と振動が響く。

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