聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「猫が博物館の中に?」
 再度のつぶやきに、三千花とアルウィードはハッとしてそちらを見る。

「それは黒猫か?」
「あ、ああ」
 アルウィードの勢いに、蓮月は気圧される。

「リーンウィックさんが?」
 探そうとする三千花をアルウィードが止めた。
「待て、そいつは違う」
 アルウィードは蓮月に険しい顔を向けた。

「目の色は青か? 緑か?」
「暗いし、そこまでは……」
 蓮月は困ったように答えた。

「目の色が重要なのか?」
「あいつかもしれない……」
「どういうこと?」
 三千花がたずねる。

 ふいに明かりが増えた。
「いたぞ、こっちだ!」
 兵士が現れた。

 とっさに蓮月は銃を構える。
「来るな、来たら撃つぞ!」
 蓮月が叫ぶ。
 犯人ぽい、と三千花は思った。

 兵士たちは一瞬怯む。
 が、すぐに駆け寄ってくる。

「銃を武器だと認識していない。逃げるぞ」
 アルウィードが誘導し、二人は続いた。

「脅しにもならないとか」
 蓮月は嘆く。

 近くで犬の遠吠えが聞こえた。
 すごい近い、と三千花が思った直後。

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