聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
三千花たちは逆走して玄関を目指した。
兵士たちがあちこちで血を流して倒れ、犬たちも倒れていた。
「リーンウィックさんは……」
「今は気にするな。きっと逃げている」
アルウィードはそう言って三千花を促す。
だが、道は途切れていた。天井が崩れて完全に通路を塞いでいた。
アルウィードがそれをどかそうと手を伸ばすが、魔法が発動する前に膝をつく。
蓮月が肩を貸して立たせる。
「みんな、どこにいるのかなあ?」
ゆったりしたレオルークの声が聞こえてきた。まだ姿は見えない。
三千花は周りを見回した。
扉が見えた。天井との危ういバランスでようやく倒れずにすんでいるような柱の陰に。
「あちらへ」
扉は、ギリギリ人が一人通れるくらいに開いた。
柱の下をくぐるうちにもパラパラと欠片が落ちてくる。
入り込み、すぐに扉を閉める。
直後、轟音が響いた。
「閉じ込められたかも」
三千花は絶望的につぶやいた。