聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「そんな顔をするな。せっかくのかわいい顔が台無しだ」
 三千花はさらに顔をひきつらせる。

「なんで私を」
 ただそれだけ、口にすることができた。

「君が聖母だからだ」
 昨日から言われている単語だ。

「聖母って、なんのこと? 結婚もしてないし、子供もいないし、宗教もやってないし」

「君の世界のことは関係ない。このアルスタード王国の伝説であり、予言でもある。この世界を変革する子を産むという聖母だ」
 アルウィードは言葉を切って三千花を見つめた。

「君には俺と結婚して子供を産んでもらう」
「はあああ!?」
 ありえない発言に、三千花は大声を上げた。

「家に返して!」
「子供を産んだらね。「サトガエリ」って言うんだろう?」
「異世界の人間のくせに、なんでそんなこと知ってんの!」
 いや、そこじゃない。
 自分の発言に、脳内でつっこむ。

「私がその聖母だなんて確証ないでしょ」
「君が聖母だよ、三千花」
「なんで、名前……」
「俺のことは気にしてくれないのか?」
 王子が席を立ち、三千花に近づく。

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