聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜


 * * *


「これ、魔法陣?」
 三千花は見つけた紙束をアルウィードに見せた。
「そうだな。相当古い」

「どんな?」
「10メートル先に移動する魔法陣に、これは火を消す魔法陣? 火の中に入れて使う? 燃えるだろ」
 魔法陣に対してアルウィードはつぶやく。
「過去に学者が実験的に作ったものらしいな」

 順に見ていくと、一枚の魔法陣で手が止まった。
「魔法を封印する古い魔法陣だ」

「これであの人の魔法を封じられるかな」
「どうかな」

「なんとかなりそうか?」
 蓮月がきいた。

「挑戦するには危険すぎる」
「だけど、そのままではあの人に勝てないよね」

 アルウィードはしばらく考えて、蓮月に言う。
「貴殿、それを撃てるか」

 蓮月は銃を見た。

 弾は込めた。
 試射をしていないから、本当に撃てるのか、わからない。博物館に収蔵された時点でクリーニングはされているだろうし、ケースに入っていたから埃なども心配ないかもしれない。だが、内部が()びているかもしれない。動かないならまだしも、暴発をしたら。

「撃つしか……ないだろ」
 覚悟もなく、蓮月は答えた。
「頼む。貴殿が頼りだ」

 高飛車な王子の初めての頼みに、蓮月は生つばを飲み込む。

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