聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「何、急に」
 手を繋がれて、三千花は落ち着かない。

「何も感じないか?」
 こんなときにと(とが)めようとするが、彼の真剣な顔を見て困惑する。

「何も感じないけど……」
「おかしい」
 アルウィードが思考に沈む。

 三千花は困って蓮月を見る。蓮月は首を振った。彼にもアルウィードが何を気にしているのかわからない。

「まさか。だが、そうとしか」
 アルウィードが顔をあげた。

「三千花、もしかしたら」
 説明しようとしたとき、すぐ横の壁がミシ、と音を立てた。

「来た!」
 三千花が叫ぶ。三人はすぐに反対側に避難する。
 直後に壁がガラガラと音を立てて崩れた。

「見ーつけた!」
 うれしそうな声とともにレオルークが現れた。

 三千花は緊張で体を固くした。

「困ったら俺の手をとれ」
 アルウィードはレオルークを睨みながら三千花に言った。

「わかった」
 よくわからないままに彼女は答えた。


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