聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「動くな!」
 蓮月は銃を向けた。

「両手を上げて後ろを向け!」
「それをやったらどうなるの?」

「お前を捕まえる」
「できないくせに」
 くすくすとレオルークは笑う。

「使えないでしょ。そんなに震えて、君もかわいいなあ。かわいがってあげようか」
 レオルークが右手の人差し指をピンと弾いた。

 蓮月が崩れるように前のめりに倒れる。はずみで銃にかけていた指が引き金を引いてしまう。
 バン! と音がして魔石の彫像に小さな穴が開いた。

「ふうん、そういう仕組なんだ。銃って大したことないな」
 レオルークはつまらなさそうにつぶやいた。
 蓮月はうめいて倒れたまま立ち上がれない。

「やめて!」
 三千花は思わず蓮月の前に飛び出した。

「君は私に指示できる立場じゃないんだよ」
 レオルークが三千花に指を向ける。

 その瞬間、アルウィードが飛び出した。
 レオルークはひょいと避ける。

 三千花はレオルークの魔力で両腕を釣り上げるようにして持ち上げられた。

 アルウィードは再び飛びかかる。
 が、レオルークが指を動かすだけで、彼は弾き飛ばされた。

「うん、いいなあ。いい眺めだ」
 つま先がつくかつかないかのところで持ち上げられて、三千花はバタバタする。全体重が両手首にかかって、激痛が走る。

「このまま、少しずつ切り刻んで行こうか。アルがどんな顔するかなあ」
 アルウィードが体を起こすと、レオルークはその体を魔力でおさえつける。

「性的なことのほうが、君たちはもっと怒るのかな?」
 レオルークは少し悩む素振りを見せた。

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