聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜


 * * *


 意識を失っていた蓮月は、轟音でハッと目を覚ました。

 俺は刑事なのに。
 ぎり、と歯を食いしばる。

 最後まで銃を撃つ勇気が持てなかった。偶発的に発射されたそれは、大きく狙いを()れて彫像に当たった。

 倒れたまま周囲を見ると、三千花は拘束され、アルウィードも倒れていた。計画が失敗したことを悟った。
 さらには、あのときの女までいた。

 どうする、どうしたらいい。

 蓮月は気づかれないように少しずつ手を動かす。
 取り落とした銃が手に触った。

 その銃把(グリップ)を握る。
 レオルークもあの女もこちらに注意を払っていない。蓮月のことを完全に舐めている。

 チャンスを作れるのは俺だけだ。

 蓮月は慎重にそのときを待った。

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