聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
* * *
その部屋で何をするでもなく、三千花はソファに座っていた。
「あのー」
ただ立っているエミュリーに話しかける。
「なんでございましょう」
「ここ、どこ?」
「……アルスタード王国の王城でございます」
「王城ってことは、やっぱり王様が住んでるの?」
「さようでございます」
「王様って、やっぱり偉い人なの?」
三千花の質問に、エミュリーは不機嫌さを隠さない。
自分でも頭の悪そうな質問だと思う。
「陛下は国の統治者であられます」
「王様ってどんな人? 会うことってできるの?」
「陛下に対して失礼でいらっしゃいますよ!」
耐えかねたようにエミュリーは声を上げた。
「王様、王様って、子供みたいに。陛下とお呼びになってくださいませ!」
「は、はい……」
王様に頼んで帰らせてもらうのも難しそうだ、と思った。
エミュリーにもっといろいろ聞いてみたかったが、話しかけるなと言わんばかりの雰囲気で、三千花はもう何も言えなかった。