聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
しばらくして、一人の男性が部屋を訪ねて来た。
薄い茶色の髪をした爽やかイケメンだった。落ち着きのある濃い緑の目をしている。
「護衛の任を仰せつかりました、リグロット・ミィン・クランシーと申します。よろしくお願いいたします」
ビシッと敬礼されて、三千花は緊張した。
「はい、よろしくお願いいたします」
思わずそう答えてしまった。
そんなことより、帰りたい。
ここにいれば確かに殺されるなどの危害を加えられる様子はないからそこは一安心だ。――貞操の危機はあるのだが。
「聖母様は異世界の方なのでちらのことがよくわからないと伺っております」
「その呼び方、やめてもらえませんか」
リグロットは首をかしげる。
しばらくして彼は言う。
「では、姫様とお呼びいたします」
「ひっ、姫!!」
「聖母様とお呼びするのがお嫌なご様子ですので、姫様、と……」
「それもやめてっ」
「ですが……」
「名前で呼んで。名前で呼んでくれなかったら死ぬ」
「そんなにお嫌ですか」
リグロットはあきれたように言った。