聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 振り返ると、背の高い金髪の美青年がいた。
 薄い柔らかな金髪だった。青い瞳が印象的だ。
 服装からして、身分が高そうだった。
 
「ユレンディール様!」
 女性の一人が驚いて声を上げる。

「し、失礼いたします」
 彼女たちはバタバタと走り去った。
 彼は微笑を浮かべてこちらを見ている。

「見かけない方ですが、あなたが聖母様ですか?」
 なんと言っていいかわからず、三千花は答えない。だが彼は無言を別の意味に捉えたようだった。

「これは失礼致しました。私はユレンディール・ウィン・リンバートソンと申します」
 ユレンディールは優雅にお辞儀をした。左手を横に伸ばし、右手を自身の前に添える。

「鈴里三千花です」
 三千花も仕方なくお辞儀を返した。日本式のお辞儀だが。
 彼の大仰(おおぎょう)で芝居がかった挨拶に腰がひけた。

 ユレンディールはアイスブルーの目を細めた。

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