聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「僕はエルンレッドと申します。朝は弟がご迷惑をおかけしたと聞きました。申し訳ございません」
 謝られて、三千花はユレンディールの陰から彼を見る。

 まったく同じ顔なのだが、雰囲気がまったく違っていた。
「彼はリーンウィック殿下の双子の兄のエルンレッド殿下です」
 ユレンディールが説明した。

 つまり、別人なのか。
 三千花はユレンディールの陰から出た。
 なんだかやっとまともな人に出会えたような気がした。

「お願い、一緒にいて」
 感激のあまり、つい、そう言ってしまった。

「え」
 ものすごく嫌そうにエルンレッドは顔を歪めた。

「僕、そういうのはちょっと」
「聖母様、積極的ですね。プロポーズですか?」
 エルンレッドに断られ、ユレンディールにクスッと笑われる。

「ち、違う、勘違いしないで」
 これじゃまるで自分が変態じゃないか。
 さんざんだ、と三千花は思った。

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