聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
次にアルウィードに会ったのは翌朝のことだった。
リグロットもなぜかついてきていた。
「騙したでしょ!」
会うなり、三千花はアルウィードに文句を言った。
「なんのことだ」
「翻訳魔法がどうとか! この指輪が翻訳してんじゃん!」
左手の指輪を見せて怒る。
アルウィードは傲然と顔を上げて三千花を見る。
「知らないほうが悪い」
「騙しておいて何その言い草!」
「君も俺とキスしたかったんじゃないのか」
アルウィードが三千花の肩に手を回す。彼女はサッとその手を払い除ける。
「都合のいい解釈しないで!」
いつも彼のペースに持っていかれて腹が立つばかりだ。
「勝手に連れてこられたあげくに犯罪者の娘とか言われて、わけわかんない!」
「誰が言ったんだ」
急にアルウィードは険しい顔になる。声に怒りがこもっていた。
「誰って……」
「三千花を悪く言うやつがどこにいたって?」
その勢いに、気圧される。