聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
一騒動のあとの朝食で、アルウィードは言った。
「博物館に行けるように手配するから、こちらのことを少しは勉強してくれ」
「勝手に連れてきて勉強しろとか、ひどくない? 給料も出ないのに」
「出したらやるのか?」
「……やりたくない」
「迂闊なことは口にするな。王族に嫁するのだからなおさら」
「嫁するって何よ、何もしないわよ。せめて私へのメリットを教えてよ。プレゼンテーションもなしにあれやれこれやれって、ないわ」
「君という人は」
言いかけて、やめる。
「とにかく、午後には父上たちに会わせるから、大人しくしてくれ」
国王に会える? ということは、帰るように訴えるチャンスがある!?
「わかったわ」
素直に応じる三千花を不審そうにアルウィードは見た。
「何か企んでるだろ」
「とんでもない!」
慌てて否定する。バレて面会を中止されたら困る。
「そんなことより、この国って、花の国とか宝石の国とか、そういう感じだったりするの?」
少しわくわくして聞いてみた。