聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 豪華な衣装を身に着けた男女が左手からしずしずと歩いてきた。
 うわ、マジで国王っぽい! これ迂闊(うかつ)な言動したら首を物理的に切られるのでは。

 にわかに緊張感が襲ってくる。
 男性がポウアンドスクレイプで、女性がカーテシーで挨拶をする。

 三千花も覚えたてのカーテシーを試みた。片足を後ろに引いて、軸足の膝を曲げる。なれないせいか、ぐらぐらしてしまう。午前中に少し練習した程度では美しいカーテシーはできそうにない。

「無理はしなくていい」
 アルウィードがそっと耳元で囁く。その優しい声。
 思わずすがりそうになる。自分を無理矢理連れてきた人なのに。

 全員の挨拶にうなずいて応え、国王と王妃は椅子に座った。
 国王は長身で、見事な金髪にブルーグリーンの瞳をしていた。
 王妃は黒髪にロイヤルブルーの目が美しい。
 二人はおそろいのような青い衣装を身に着けていた。

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