聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
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「お茶会が決まった」
と朝食の席でアルウィードが言った。
「最近毎日やってるじゃん」
勉強のあとはアルウィードがお茶セットとともに現れ、エミュリーと三人でティータイムを楽しんでいる。
「違う。ファリエルタ・リン・キャライル嬢とのお茶会だ。急で悪いが、今日の午後に」
「じゃあ今日は四人でお茶会なんだ?」
「君とファリエルタ嬢の二人だ」
「えー」
「嫌そうな顔をするな。……そんなに俺がいないのが寂しいのか」
「違う」
なんでも自分基準にするアルウィードにうんざりする。
「聖母が現れたと、既に噂が流れている。公式には聖母を認めてはいないが」
アルウィードは三千花を見る。
「ファリエルタ嬢からは聖母をお茶会に招きたいと言われていた。が、安全のために三千花を外に出すわけにはいかない」
「じゃあお茶会なんてやらなくていいじゃない」
「急遽、ファリエルタ嬢が来ることになった。君も徐々にこちらの社交界になれてもらわなくてはならない」
「慣れなくていいし」
「淑女としてふさわしいふるまいができることを証明しなくてはならない」
「淑女じゃないし」
「自分が聖母か否かを含めて、余計なことは言うなよ」
三千花の抗議をことごとく無視してアルウィードが言った。
「エミュリー、急で悪いが三千花にお茶会マナーを教えてやってくれ。礼儀作法の先生にも言っておく」
「おまかせを」
やる気まんまんのエミュリーに、三千花は悪い予感しかしなかった。