聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜





 なんで私がお茶会をやらなきゃならないの。

 三千花は納得いかずに立腹していた。だが、周りがバタバタ動いているのを見るとなんとなく合わせてしまう。
 日本人気質の自分を恨んだ。

 エミュリーは妙に張り切って三千花のドレスを選び、ギュウギュウにコルセットを締めた。
「く、苦しい、やめて」
「これくらいしないとダメです、ただでさえほかのご令嬢に負けてますのに」
 必死の訴えも虚しく、エミュリーの思うままに締められた。

 テーブルセッティングはエミュリーがやってくれた。が、おもてなしは三千花がやらなくてはならない。
 結局、マナーの先生の合格は貰えなかった。

 しかし、彼女には奥の手があった。
 これさえあれば、乗り切れる。
 そう信じていた。

 お茶会にはなぜかリグロットが立会で訪れることになっていた。参加者ではない。
 見張りに来るのか、と三千花はうんざりした。アルウィードが心配して寄越したのだとは思いも寄らない。


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