光が消えていってしまう君へ

希望と絶望

久しぶりに紗和を見た時、すごくうれしかった。

そんな自分に笑いが込み上げてきた。

嬉しくなったって、つらい事しかない。

だからもう会わないって自分で決めたのに。

感情は素直に喜んでいた。

そんな自分勝手な理由で遠ざけた。

見たいと思ったら、そのあとに、耐えられない。


一度に希望と絶望を一気に味わった。


甘くて、苦い。


苦くて、味わいたくない。

ていうか、食べ物でも苦いものは苦手。

甘党だし。

そんなどうでもいい事を考えながら、ふらふらと歩いていた。





「本当のことを話したい。」





ふとこぼれた言葉。

それを自分で言って、やっと理解した。

本当は知ってほしかった。

知った上で一緒にいたかった。

自分のことすら分からないなんて...

想像もしなかったなぁ。

やっぱり、本当のことを話そうか...

でも、困らせたくない。

時期を見て話そう。

そうすれば、俺のことを分かってもらえるかもしれない。

今は、偏頭痛とめまいだけだし。

しばらくは持つでしょ。




















この時はまだ、視力が両方ともAだった。

















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